令和7年 司法試験 短答式 刑法 第17問 解説
問題
アからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものの個数を1から5までの中から選びなさい。
ア.甲と乙が窃盗を共謀したが、実行行為を分担した甲が同共謀に反して財物を強取した後、実行行為を分担しなかった乙に対し、同財物を強取した旨を伝えて同財物を譲り渡した。この場合、乙に強盗罪の共同正犯が成立することはない。
イ.甲(22歳)と乙(12歳)が強盗を共謀し、同共謀に基づき乙が財物を強取した。この場合、甲に強盗罪の共同正犯が成立することはない。
ウ.甲と乙が窃盗を共謀し、次に乙と丙が同窃盗を共謀して、同共謀に基づき丙が財物を窃取した。この場合、甲に窃盗罪の共同正犯が成立することはない。
エ.甲と乙が強盗を共謀し、同共謀に基づき甲がAに包丁を突き付けて脅迫し、乙がAから金品を強取したが、その強盗の機会に、甲が過失によりAに傷害を負わせた。この場合、乙に強盗致傷罪の共同正犯が成立することはない。
オ.甲と乙が窃盗を共謀し、同共謀に基づき甲が実行行為を行ったが、乙は同実行行為の日時・場所・方法を詳細に認識していなかった。この場合、乙に窃盗罪の共同正犯が成立することはない。
- ①1個
- ②2個
- ③3個
- ④4個正解
- ⑤5個
解説
要点
共謀共同正犯は、①刑事未成年者が相手でも、その者が自らの意思で実行を決意した場合には意思連絡に基づき成立しうる(意思を抑圧した場合は間接正犯)、②順次共謀でも成立しうる、③結果的加重犯についても共同正犯が及ぶ、④実行の詳細を認識していなくても包括的合意があれば足りる。他方、共謀の射程を超える質的に異なる行為(窃盗→強盗)には共同正犯は及ばない。
結論
誤っている記述はイ・ウ・エ・オの4個であり、選択肢4が正しい。アは共謀の射程を超える行為であり乙に強盗の共同正犯が成立しないとする点で正しく、他の4つはいずれも判例上共同正犯の成立を認める場面であるのに「成立しない」としている点で誤りである。
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出典:法務省「令和7年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
