令和5年 司法試験 短答式 民法 第17問 解説
問題
履行遅滞に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.取立債務の履行について確定期限がある場合には、債権者が取立行為をしないときであっても、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
イ.債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来を知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
ウ.返還時期の定めがない消費貸借において、貸主が相当の期間を定めないで催告をしたときは、借主は、その催告後相当の期間を経過した時から遅滞の責任を負う。
エ.債権者が受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴えにおいて受領金の返還を請求したときは、その受領金の返還債務は、その請求を認容する判決の確定時に遅滞に陥る。
オ.不法行為に基づく損害賠償債務は、催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥る。
- ①ア ウ
- ②ア エ正解
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
履行遅滞の起算点は債務の性質ごとに異なる。確定期限(412条1項)・不確定期限(412条2項)・期限の定めなし(412条3項)という条文上の原則に加え、取立債務では債権者の取立行為がなければ遅滞とならないこと、詐害行為取消請求に係る受領金返還債務は取消判決の確定により発生する期限の定めのない債務であって、判決確定によって当然に遅滞に陥るのではなく履行の請求を受けた時から遅滞に陥ることを押さえる。
結論
誤っているのはアとエであり、選択肢2が正しい。取立債務は確定期限が到来しただけでは足りず債権者の取立行為が必要であり(ア誤り)、詐害行為取消請求に係る受領金返還債務は判決確定によって当然に遅滞に陥るものではなく、履行の請求を受けた時から遅滞に陥る(エ誤り)ため、この組合せが誤りとして選ばれる。
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出典:法務省「令和5年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
