令和4年 司法試験 短答式 民法 第28問 解説
問題
事務管理に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.管理者は、事務の管理をするにつき自己に過失なく損害を受けたときでも、本人に対し、その賠償を請求することができない。
イ.事務管理の開始後に、その管理が本人の意思に反することが明らかになった場合、管理者は、本人に対し、既に支出した費用の償還を請求することができない。
ウ.管理者が本人の名でした法律行為の効果は、事務管理の効果として直接本人に帰属する。
エ.管理者は、その事務が終了した後、本人に対し、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
オ.管理者は、本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をした場合には、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ正解
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
事務管理につき委任の規定を準用する701条は645条〜647条(報告義務等)にとどまり、650条3項に相当する無過失損害の賠償請求権の規定はない点、本人の意思に反する管理でも702条3項により現受利益の限度で費用償還請求が可能である点、事務管理は代理権を発生させないため管理者が本人の名で行った法律行為の効果は当然には本人に帰属しない点を押さえること。
結論
誤っている記述はイとウであり、正解は選択肢3である。イは702条3項により本人の意思に反する管理でも現に利益を受けている限度で費用償還請求が可能である点を、ウは事務管理が当然に代理権を発生させるものではなく本人の名でした法律行為の効果が直接本人に帰属するわけではない点を、それぞれ正しく捉えていないため誤りとなる。
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出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
