令和4年 司法試験 短答式 民法 第18問 解説
問題
AのBに対する債権を保全するための債権者代位権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが債権者代位権に基づき、BのCに対する金銭債権の履行を請求した場合において、CがBに対して既に当該金銭債務をその弁済期前に弁済していたときは、Cは、弁済による債権の消滅をAに対抗することができない。
イ.BがCに対する金銭債権の支払を求めて訴えを提起しているときは、Aは、BのCに対する金銭債権を代位行使することができない。
ウ.AがBに対し、BがCに対し、それぞれ金銭債権を有する場合には、Aは、自己の債権の額を超えて、BのCに対する債権を代位行使することができない。
エ.借地上の建物の賃借人Aは、建物賃貸人である借地権者Bが土地賃貸人Cに対して有する建物買取請求権を代位行使することができる。
オ.Bが土地をその所有者Cから買い受け、これをAに転売した場合において、BがCに対する所有権移転登記手続請求権を行使しないときは、Aは、BのCに対する所有権移転登記手続請求権を代位行使して、登記を直接Aに移転すべき旨をCに請求することができる。
- ①ア イ
- ②ア エ
- ③イ ウ正解
- ④ウ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
債権者代位権では、①可分な金銭債権は自己の債権額の範囲でしか代位行使できない(民法423条の2)、②第三債務者は債務者に対する抗弁を代位債権者にも対抗できる(民法423条の4)、③債務者が既に自ら権利行使している場合は重ねて代位行使できない(大判昭和14年5月16日、最判昭和28年12月14日)、④直接自己への給付を求められるのは金銭の支払・動産の引渡しに限られ(民法423条の3)、不動産の所有権移転登記請求権の代位行使では債務者名義への移転しか求められない、という4点を押さえる。
結論
正しいのはイとウであり、選択肢3が正解である。イは債務者が既に自ら権利行使している場合には債権者代位権を行使できないという判例法理、ウは可分な金銭債権を代位行使する際には自己の債権額の範囲に限られるという民法423条の2の規律に、それぞれ合致する。
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出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
