令和4年 司法試験 短答式 民法 第16問 解説
問題
特定物の売買の売主が目的物の引渡債務について履行の提供をした場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.買主が目的物の受領を拒み、その後に売主が買主に対して売買代金の支払を請求した場合、買主は、売主が履行の提供を継続し、又は改めて履行の提供をしなければ、同時履行の抗弁権を主張して売買代金の支払を拒むことができる。
イ.買主が目的物を受領することができない場合、売主は、履行の提供をした時から引渡しが完了するまで、契約及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、目的物を保存しなければならない。
ウ.買主が目的物を受領することができない場合、売主が目的物の保管を続けるために必要となる費用は、買主が負担しなければならない。
エ.買主が目的物を受領することができない場合、売主は、履行の提供をした時から、目的物の引渡債務につき遅滞の責任を免れる。
オ.買主が目的物の受領を拒み、その後に、売主及び買主の双方の責めに帰することができない事由により目的物が滅失した場合、買主は契約を解除することができる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
受領遅滞では、売主の注意義務は『自己の財産に対するのと同一の注意』に軽減され(413条1項)、保管費用の増加額は買主負担(413条2項)。さらに受領遅滞後の当事者双方無帰責の履行不能は買主の帰責事由とみなされ(413条の2第2項)、危険負担(536条2項)・解除(543条)の場面で買主に不利益が及ぶ。
結論
誤っているのはイとオであり、選択肢4が正しい。イは注意義務の程度を誤り、オは受領遅滞中の履行不能に関する危険負担・解除の帰結を誤っている。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
