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令和4年 司法試験 短答式 刑法 第18問 解説

令4司法 第18問刑法窃盗罪の過去問

問題

死者の占有に関して、教授及び学生が次の【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑥までの( )内に後記【語句群】から適切な語句を入れた場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちのどれか。なお、①から⑥までの( )内にはそれぞれ異なる語句が入る。【会 話】教授.死者が生前身に付けていた財物を領得した場合の罪責については、見解の対立があるね。まず、甲がAを殺害した直後、その殺害行為とは無関係の乙が、Aが身に付けていた財布を領得した場合の乙の罪責は、判例の立場に従うとどうなるかな。学生.(①)ことになります。教授.そうだね。では次に、丙が当初から財物を領得する意思でBを殺害し、Bの死亡直後に財布を領得した場合の罪責は、判例の立場に従うとどうなるかな。学生.その場合には(②)ことになります。教授.そうだね。この場合には、殺害行為と領得行為を一体として評価することができるね。それでは、丁がCを殺害し、その直後に財物を領得する意図を生じてCが身に付けていた財布を領得した場合、丁はいかなる罪責を負うだろうか。まず、判例の立場に従うとどうなるだろう。学生.その場合には(③)と考えられますので、(④)ことになります。教授.そうだね。しかし、判例の考え方に対しては、(⑤)と批判する立場があるけれども、そのような立場からすると、丁の罪責はどのように考えられるだろうか。学生.(⑥)ことになります。【語句群】a.窃盗罪が成立するb.殺人罪及び遺失物等横領罪が成立するc.遺失物等横領罪が成立するd.強盗殺人罪が成立するe.強盗殺人罪及び遺失物等横領罪が成立するf.殺人罪及び窃盗罪が成立するg.死者も占有の主体として保護されるべきh.生前の占有を遡って侵害することはできないi.被害者が生前に有していた占有が侵害されるj.法益の保護が十分でない
  1. ①①a ②e ③g ④f ⑤j ⑥d
  2. ②①a ②f ③i ④d ⑤j ⑥b
  3. ③①c ②d ③i ④b ⑤j ⑥e
  4. ④①c ②d ③i ④f ⑤h ⑥b正解
  5. ⑤①c ②e ③g ④b ⑤h ⑥d

解説

要点
判例は、殺害行為と時間的・場所的に近接した領得行為については、被害者が生前有していた占有をなお保護すべきとして窃盗罪の成立を認めるが、これに対しては死後に生前の占有を遡って侵害することは論理的にできないとの批判があり、その立場からは殺人罪と遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)の成立を認める。

結論

正解は選択肢4(①c ②d ③i ④f ⑤h ⑥b)である。判例は、殺害行為と時間的・場所的に近接した領得行為であれば、被害者が生前有していた占有はなお法的保護の対象になるとして殺人罪と窃盗罪の成立を認めるが、これに対して「生前の占有を死後に遡って侵害することはできない」という論理的批判があり、その立場からは殺人罪と遺失物等横領罪が成立するにとどまる。

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出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。