令和4年 司法試験 短答式 刑法 第10問 解説
問題
略取誘拐罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。
- ①身の代金目的略取誘拐罪にいう「安否を憂慮する者」は、被拐取者の安否を親身になって憂慮するのが社会通念上当然とみられる特別な関係が被拐取者との間にある者に限らず、同情から被拐取者の安否を気遣う第三者も含む。
- ②未成年者誘拐罪の手段である欺罔は、被誘拐者に対して用いられる必要があり、監護者に対して用いられる場合を含まない。
- ③刑法第228条の2(解放による刑の減軽)が適用されるためには、被拐取者を、「安全な場所」に解放する必要があるところ、「安全」とは、被拐取者が救出されるまでの間におよそ危険が生じないことを意味するから、漠然とした抽象的な危険や不安感ないし危惧感を伴うのであれば、「安全な場所」とはいえない。
- ④自ら移動する意思も能力も有していない生後間もない嬰児であっても、未成年者略取誘拐罪の客体に当たる。正解
- ⑤未成年者略取罪の保護法益には親権者の監護権も含まれるので、親権者が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為については、未成年者略取罪が成立することはない。
解説
要点
未成年者略取誘拐罪の客体は「移動の意思・能力」を要せず、生後間もない嬰児も含まれる。監護権侵害という保護法益の性質から、意思能力の有無は客体該当性を左右しない。
結論
正解は選択肢4である。未成年者略取誘拐罪は被拐取者本人の行動の自由だけでなく監護者の監護権も保護法益とするため、自ら移動する意思・能力のない生後間もない嬰児であっても、監護者の事実上の支配から離脱させる行為が可能であり、客体として保護される。
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出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
