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令和4年 司法試験 短答式 刑法 第7問 解説

令4司法 第7問刑法共同正犯の過去問

問題

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。
  1. ①甲は、友人乙がV所有の自動車(以下「V車」という。)の車体をバットで叩いて損壊しているのを発見し、自分も加勢しようと考え、乙に気付かれないように物陰から石を投げ付け、V車の窓ガラスを割った。乙は、その直後に周囲を見回し、物陰にいた甲の姿を見て、甲がV車に石を投げ付けたと認識したが、それ以降は、甲及び乙のいずれも、V車の損壊行為を行わなかった。この場合、甲には、器物損壊罪の共同正犯が成立する。
  2. ②甲と乙は、友人丙がVから暴行を受けているのを発見し、丙を助けるために意思を通じ、正当防衛としてVに暴行を加えた。これにより、攻撃の意思を失い攻撃をやめたVが現場から逃走したため、甲は、暴行をやめたが、乙は、Vを追いかけて更にVに暴行を加えて傷害を負わせた。その間、甲は、乙の行動に驚き、乙が暴行を加えるのを傍観していた。この場合、甲には、傷害罪の共同正犯が成立する。
  3. ③甲と乙は、Vに対する強盗を共謀し、乙が先にV方に入り、甲のための侵入口を確保したが、現場付近に人が集まってきたことに気付いた甲は、乙に電話をかけ、「もう犯行をやめた方がよい。先に帰る。」と一方的に告げて、その場から立ち去った。その後、乙は、Vから現金を強取し、その際、Vに傷害を負わせた。この場合、甲には、住居侵入罪及び強盗致傷罪の共同正犯が成立する。正解
  4. ④甲と乙は、Vに対する強盗を共謀し、甲がVに包丁を示して、「金を出せ。」と要求したが、甲は、Vに憐憫の情を抱き、Vに「金は要らない。」と言うとともに、乙にも「お前も強盗なんかやめておけ。」と言ってその場を立ち去った。その後もVは甲の脅迫によって反抗抑圧され続けており、乙は、その状態を利用してVから現金を強取した。この場合、甲には、中止犯が成立する。
  5. ⑤甲と乙は、Vの殺害を共謀し、甲がVをナイフで切り付けて傷害を負わせたが、甲は、Vに憐憫の情を抱き、犯行をやめようと決意した。甲は、更にVを切り付けようとする乙を羽交い締めにし、Vがその隙に逃走したため、乙は、犯行を継続できず、Vは、死亡するに至らなかった。この場合、甲と乙には、いずれも中止犯が成立する。

解説

要点
共犯関係からの離脱が認められるには、単に一方的にやめる旨を告げるだけでなく、既に生じた因果的寄与(侵入口の確保等)を除去する積極的な措置が必要であり、これがない限り離脱後の結果についても共同正犯の責任を免れない。

結論

選択肢3が正しい。甲は乙に一方的に離脱を告げただけで、自ら作った侵入口という物理的因果的寄与を除去する措置を取っていないため、共犯関係からの離脱は認められず、その後乙が行った強盗致傷についても甲は住居侵入罪・強盗致傷罪の共同正犯としての責任を負う。

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出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。