令和3年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
占有権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが自己所有の甲土地につき宅地造成工事を開始したために,隣接する乙土地に危険が生じている場合,乙土地に居住するBは,工事開始時から1年が経過したときであっても,工事が完成する前であれば,Aに対して占有保全の訴えを提起することができる。
イ.Aが占有していた動産甲をBが奪取した場合において,Bが甲の所有者であることが明らかになったときは,Aによる占有回収の訴えは認められない。
ウ.AがB所有の動産甲を無断でCに賃貸した後,Cの責めに帰すべき事由によって甲が損傷した場合,Bから甲の返還を求められたCは,甲の所有者がAであると過失なく信じていたとしても,その損害の全部の賠償をしなければならない。
エ.Aが,自己が占有する動産甲をBに売却し,甲を以後Bのために占有する旨の意思を表示したときは,Bは,甲の占有権を取得する。
オ.動産甲をその所有者Aから賃借して占有していたBが,Aとの間で,Aから甲を買い受けてAの占有権を譲り受ける旨の合意をしたときは,Bの占有は,自主占有となる。
- ①ア イ正解
- ②ア ウ
- ③イ オ
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
占有保全の訴えは工事着手後1年経過又は工事完成のいずれか早い方で提起できなくなる(201条2項)。占有回収の訴えは本権の有無と無関係に認められる(200条・202条2項)。
結論
誤っているのはア・イであり,選択肢1が正解である。アは占有保全の訴えの期間制限(民法201条2項)を誤って理解しており,イは占有回収の訴えが本権の存否と無関係に成立することを見落としている。
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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
