令和3年 司法試験 短答式 憲法 第19問 解説
問題
地方自治に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには〇,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.地方自治の本質について,地方公共団体固有の前国家的な基本権を保障したものではなく,地方自治という歴史的・伝統的な制度を保障したものと解する立場に立つと,憲法第92条に規定された「地方自治の本旨」には特別の法的意味がないこととなる。
イ.憲法は,都道府県と市町村という二層構造の地方公共団体を憲法上保障しておらず,地方公共団体の在り方は立法政策に委ねられるとする立場に立つと,現行の都道府県より更に大きな単位の地方公共団体を設け,三層構造とすることも許容されることとなる。
ウ.憲法第95条は,「一の地方公共団体のみに適用される特別法」について規定するが,「一の地方公共団体」は,「一つの」ではなく,「特定の」地方公共団体を意味するものであるから,複数の地方公共団体に適用される法律についても,同条の規定する住民投票が必要になる場合がある。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○正解
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
地方自治の保障の性質論では、制度的保障説こそが「地方自治の本旨」に法的意味(本質的内容の保障)を与える立場であり、本旨に特別の法的意味を認めないのは承認説(伝来説)的理解であることを押さえる。憲法95条の「一の地方公共団体」は「特定の」の意味であり、複数の団体に適用される法律でも各団体ごとに住民投票が必要になり得る。
結論
選択肢5(ア×イ○ウ○)が正しい。制度的保障説は「地方自治の本旨」にこそ法的意味を与える立場であり、アの記述は逆であるため誤り。イとウはそれぞれ学説・実務の理解として正しい内容である。
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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
