令和3年 司法試験 短答式 刑法 第9問エ 解説
問題
次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
エ.甲は,自己の口座に振込先を誤った振込入金があったことを知ったが,銀行窓口において,窓口係員に対し,その受取人として上記の誤った振込入金があった旨を告知せずに,その払戻しを請求し,事情を知らない同係員をして,払戻しに応じさせた。この場合,甲には,上記の誤った振込入金があったことを告知する義務はなく,詐欺罪は成立しない。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
誤振込であることを知った受取人が窓口で告知せず払戻しを受けた場合、信義則上の告知義務違反を理由に詐欺罪(1項詐欺)が成立する(最決平成15年3月12日)。誤振込を知りながら黙って引き出す行為は、民事上の預金債権の有無にかかわらず刑事上は欺罔行為とされる点がポイント。
結論
本記述は誤り(選択肢2が正解)。判例は、誤振込であることを知った受取人が銀行窓口でその事実を告知せずに払戻しを請求する行為について、告知義務を認め、これを怠って払戻しを受けさせた場合には詐欺罪(刑法246条1項)が成立するとしている。
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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
