令和3年 司法試験 短答式 刑法 第9問イ 解説
問題
次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
イ.甲は,Vと2人きりのホテル客室で,その同意の下,Vに対し,覚醒剤を注射したところ,Vが体調の異変を訴え,錯乱状態に陥ったため,救急医療を要請する必要があることを認識し,その要請をしていれば,Vの救命は確実であったにもかかわらず,その要請をすることなく,Vを放置したまま同室から立ち去り,その結果,Vが死亡したが,甲に殺意はなかった。この場合,甲がVを放置した行為とVの死亡との間の因果関係に欠けることはなく,甲には,保護責任者遺棄等致死罪が成立する。
- ①正しい正解
- ②誤っている
解説
要点
覚醒剤注射後に錯乱状態に陥った被害者を、救急要請すれば確実に救命できたのに放置して立ち去った事案では、不作為と死亡の因果関係が肯定され、保護責任者遺棄致死罪が成立する(最決平成元年12月15日)。
結論
選択肢1が正しい。設問の事案は、覚醒剤を注射したことで生じた危険な状態を認識しながら救急医療を要請せず被害者を放置して立ち去った、という保護責任者遺棄等致死罪の成立を認めた判例と同一の枠組みであり、判例は不作為と死亡結果との間の因果関係を肯定して同罪の成立を認めている。
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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
