令和2年 司法試験 短答式 民法 第34問 解説
問題
遺言の執行に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.自筆証書遺言に係る遺言書を保管している相続人は,相続の開始を知った後,遅滞なく,遺言書を保管している旨を他の相続人に通知しなければならない。
イ.遺言執行者がないとき,又はなくなったときは,家庭裁判所は,利害関係人の請求によって,これを選任することができる。
ウ.遺言執行者がある場合には,遺贈の履行は,遺言執行者のみが行うことができ,遺言者の相続人がこれを行うことはできない。
エ.遺産分割方法の指定として遺産に属する預金債権の全部を相続人の一人に承継させる旨の遺言があったときは,遺言執行者は,遺言者がその遺言に別段の意思を表示した場合を除き,その預金の払戻しを請求することができる。
オ.遺言執行者は,遺言者がその遺言に別段の意思を表示した場合を除き,やむを得ない事由がなければ,第三者にその任務を行わせることができない。
- ①ア ウ
- ②ア オ正解
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
遺言執行者の権限(遺贈履行の専属性、預貯金の払戻請求権)と復任権のルール(改正後は自己の責任で第三者に任務を行わせることが原則可能)を条文の要件レベルで正確に押さえる。自筆証書遺言を相続人自身が保管している場合の通知義務は存在しない点も要注意。
結論
誤っている記述はアとオであり、選択肢2が正解である。アは相続人が自筆証書遺言を保管している場合に他の相続人へ通知する義務を定めた条文がない点で誤り、オは平成30年改正により遺言執行者の復任権が原則自由化され「やむを得ない事由」が要件でなくなった点で誤りである。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
