令和2年 司法試験 短答式 民法 第31問 解説
問題
親権を行う者とその子との間及び子相互間の利益相反行為に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.親権者が利益相反行為をした場合には,その行為は無権代理行為となる。
イ.親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは,利益相反行為に当たる。
ウ.親権者とその数人の子が共同相続人である場合に,親権者が自ら相続の放棄をすると同時にその子全員を代理して相続の放棄をすることは,利益相反行為に当たらない。
エ.親権者がその子の名義で金銭を借り受け,その子が所有する不動産に抵当権を設定する場合であっても,親権者がその金銭を自らの用途に供する意図を有していたときには,利益相反行為に当たる。
オ.父母が共に親権者である場合に,父とその子との利益が相反する行為をするには,母が親権者として単独でその子のための代理行為をする必要がある。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
利益相反行為の該当性は行為の外形・客観的性質によって判断し、親権者の主観的意図・動機は考慮しないのが判例の立場。また共同親権の場合、父と子の利益相反行為については母が単独で代理することはできず、特別代理人を選任し(民法826条1項)、母と特別代理人が共同して子を代理する。
結論
誤っているのはエとオであり、選択肢5が正しい。エは利益相反行為の判断基準を誤り(主観的意図を基準にしている)、オは共同親権における利益相反行為の処理を誤っている(母の単独代理では足りず特別代理人の選任が必要)。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
