令和2年 司法試験 短答式 民法 第17問 解説
問題
ABCは,Dに対して,60万円の借入金債務(以下「甲債務」という。)を連帯して負担し,負担部分は均等とする合意をしていた。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.DがAに対して甲債務の支払請求訴訟を提起し,請求を認容する判決が確定した場合において,D及びBが別段の意思を表示していないときは,甲債務の消滅時効は,Bについても判決確定の時から新たにその進行を始める。
イ.DがCに対して甲債務を免除する意思表示をした場合において,D及びAが別段の意思を表示していないときは,DがAの債務を免除する意思を有していなかったとしても,Dは,Aに対して60万円の支払を請求することはできない。
ウ.甲債務と相殺適状にある30万円の乙債務をDがCに対して負担している場合において,Cが乙債務につき相殺を援用しない間に,DがAに60万円の支払を請求したときは,Aは,20万円についてその支払を拒むことができる。
エ.Bは,甲債務の履行期にDに対して18万円を支払った場合,A及びCに求償することはできない。
オ.甲債務と相殺適状にある20万円の乙債務をDがCに対して負担している場合において,Aが,Cが甲債務の連帯債務者であることを知りながら,Cに通知せずにDに60万円を支払ってCに求償し,Cが乙債務との相殺をもってAに対抗したときは,Aは,Dに対し,相殺によって消滅すべきであった乙債務20万円の支払を請求することができる。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ エ
- ④ウ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
連帯債務では、履行の請求・免除・時効は原則として相対効(441条)、弁済・相殺(439条1項)・更改・混同は絶対効。相殺権者の負担部分の限度で他の連帯債務者は履行拒絶でき(439条2項)、無通知弁済者の求償の場面では443条1項により負担部分の限度で対抗され、相殺分は求償者が債権者に請求できる。
結論
正しいのはウとオであり、選択肢4が正解である。ウは相殺権者の負担部分の限度での履行拒絶(439条2項)、オは無通知で弁済した者の求償に対する対抗と求償者の債権者への請求(443条1項後段)の理解が問われている。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
