令和2年 司法試験 短答式 民法 第13問 解説
問題
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Bは,元本の確定前は,Aに対する他の債権者Cに対してその順位を譲渡することができる。
イ.Bの根抵当権にDのために転根抵当権が設定され,BがAに転根抵当権の設定の通知をした場合,Aは,元本の確定前であれば,Dの承諾を得なくてもBに弁済することができる。
ウ.元本の確定前に,Bが根抵当権によって担保されていた債権をEに譲渡した場合,それに伴って根抵当権もEに移転する。
エ.後順位抵当権者Fがいる場合,A及びBが元本確定期日を変更するためには,Fの承諾が必要である。
オ.Bが数個の不動産について根抵当権を有する場合,同一の債権の担保として数個の不動産の上に根抵当権が設定された旨の登記がその設定と同時にされたときを除き,各不動産の代価についてそれぞれの極度額まで優先権を行使することができる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ正解
- ⑤ウ オ
解説
要点
根抵当権は元本確定前、随伴性が否定され(398条の7)、順位譲渡等の処分もできない(398条の11第1項本文)が、転抵当は可能であり、元本確定前にした弁済には377条2項が適用されないため転根抵当権者に対抗できる(398条の11第2項)。また共同根抵当は設定と同時に登記した場合のみ累積せず392条・393条型になる(398条の16、398条の18)。
結論
正しいのはイとオであり、選択肢4が正解である。イは転根抵当権が設定され通知がされても、元本確定前にした弁済については377条2項が適用されない(民法398条の11第2項)ため転根抵当権者に対抗できることに基づき、オは共同根抵当は設定と同時に登記されない限り各不動産ごとに極度額まで優先弁済を受けられる(累積式)という民法398条の16・398条の18の規律に基づく。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
