令和2年 司法試験 短答式 民法 第12問 解説
問題
債務者Aは債権者BのためにAの所有する不動産甲に抵当権を設定し,その旨の登記がされた。この場合における抵当権の消滅に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aは,抵当権を実行することができる時から20年が経過すれば,被担保債権が消滅していなくても,抵当権が時効により消滅したと主張することができる。
イ.甲について,その後,AがCのために抵当権を設定し,その旨の登記がされた場合において,BがAから甲を買い受けたときは,Bの抵当権は消滅しない。
ウ.Aの一般債権者が甲につき強制競売の申立てをし,当該強制競売手続において甲が売却されたときは,Bの抵当権は消滅する。
エ.甲について,その後,Aから譲渡担保権の設定を受けたDは,譲渡担保権の実行前であっても,抵当権消滅請求をすることにより,Bの抵当権を消滅させることができる。
オ.甲が建物である場合において,Aが故意に甲を焼失させたときは,Bの抵当権は消滅しない。
- ①ア エ
- ②ア オ
- ③イ ウ正解
- ④イ オ
- ⑤ウ エ
解説
要点
抵当権の消滅原因は個別に検討する必要がある。債務者兼設定者に対しては396条により被担保債権と離れて単独で時効消滅しない、混同は179条1項ただし書(その物が第三者の権利の目的であるとき)により生じない、強制競売でも消除主義により消滅する、譲渡担保権者は実行完了前は第三取得者に当たらず消滅請求できない、目的物滅失(焼失)により抵当権自体は消滅する。
結論
正しいのはイとウであり、選択肢3が正解である。イは混同の例外(民法179条1項ただし書)により後順位抵当権がある限りBの抵当権は消滅しないという場面であり、ウは強制競売による消除主義(民事執行法59条1項)により担保権が消滅する場面である。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
