令和元年 司法試験 短答式 民法 第35問 解説
問題
遺産分割に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.共同相続人A及びBのうち,Bが遺産分割協議書を偽造して,相続財産である甲不動産についてBへの所有権移転登記をした場合,Bは,Aの相続回復請求権の消滅時効を援用することができない。
イ.被相続人が,共同相続人A及びBのうち,Aに甲不動産を相続させる旨の遺言を残して死亡し,その遺言が遺産分割の方法の指定と解される場合であっても,AB間の遺産分割協議を経なければ,Aは甲不動産を取得することができない。
ウ.被相続人は,禁止期間を限定したとしても,遺言で遺産の分割を禁ずることはできない。
エ.A及びBが共同相続した甲不動産をAが遺産分割協議により取得した場合において,相続開始から遺産分割までの間に甲不動産について生じた賃料債権は,その協議で特に定めなかったときは,Aに帰属する。
オ.共同相続人である子A及びBが被相続人である父Cの唯一の相続財産である甲不動産について遺産分割をした後,認知の訴えにより,DがCの子であるとされた場合において,Dが遺産分割を請求しようとするときは,Dは,価額のみによる支払の請求権を有する。
- ①ア ウ
- ②ア オ正解
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
相続回復請求権の消滅時効は、自己の持分を超えて他の相続人の権利を侵害していることを知りながら(または信ずるにつき合理的事由なく)占有する共同相続人は援用できない。特定財産承継遺言(相続させる旨の遺言)は遺産分割協議を経ずに直接効力を生じ、遺産分割前に生じた賃料債権は各相続人が相続分に応じて分割取得する。認知により相続人となった者は価額のみによる支払請求権を有する(910条)。
結論
正しいのはアとオであり、選択肢2が正解である。アは遺産分割協議書を偽造した者が相続回復請求権の消滅時効を援用できないという判例の趣旨に合致し、オは民法910条の価額のみによる支払請求権の規定に合致する。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
