令和元年 司法試験 短答式 民法 第34問 解説
問題
相続に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.相続人が数人ある場合において,被相続人が祖先の祭祀を主宰すべき者を指定していなかったとしても,被相続人が所有していた墳墓は,遺産分割の対象とならない。
イ.遺産分割は,相続の承認又は放棄をすべき期間内には,することができない。
ウ.複数の相続人が被相続人から賃借人の地位を承継したときは,被相続人が延滞していたその賃貸借に係る賃料債務は不可分債務となる。
エ.被相続人が他人の過失による交通事故によって即死した場合でも,その事故による被相続人の精神的損害についての慰謝料請求権は,相続の対象となる。
オ.遺産分割後に遺産である建物に隠れた瑕疵があったことが判明した場合であっても,その建物を遺産分割により取得した相続人は,他の相続人に対し,瑕疵担保責任を追及することができない。
- ①ア ウ
- ②ア エ正解
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ オ
解説
要点
祭祀財産(墳墓等)は民法897条により祭祀主宰者が承継し遺産分割の対象外。即死でも慰謝料請求権は相続される(大判大15・2・16、最大判昭42・11・1)。相続開始前に既に発生していた延滞賃料債務は可分債務として当然分割承継される(相続開始後に生ずる賃料債務を不可分債務とする判例との区別が要点)。遺産分割後の瑕疵は911条の共同相続人間の担保責任で処理される。
結論
正しいのはアとエであり、選択肢2が正解である。祭祀財産は遺産分割の対象とならず(民法897条)、即死の場合でも被相続人に慰謝料請求権が発生し相続人に承継されるとする判例(大判大正15年2月16日、最大判昭和42年11月1日)が、いずれも判例・条文の趣旨に合致する。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
