令和元年 司法試験 短答式 民法 第28問 解説
問題
不法行為に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じ,Aがその工作物の占有者として損害賠償の責任を負う場合において,その損害を賠償したAは,その損害の原因について責任を負うBに対し,求償権を行使することができる。
イ.Aが所有する樹木の植栽又は支持に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合であっても,Aが相当の注意をもってその管理をしていたときは,Aが損害賠償の責任を負うことはない。
ウ.Aが所有する甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによってBに損害が生じた場合には,その瑕疵がAの前の所有者が甲建物を所有していた時期に生じたものであるときであっても,Aは,甲建物の所有者として損害賠償の責任を負う。
エ.Aがその所有する甲建物をBに賃貸し,Bが甲建物をCに転貸し,それぞれ引渡しがされた場合には,甲建物の設置又は保存に瑕疵があることによって第三者に生じた損害について,Bが占有者として損害賠償の責任を負うことはない。
オ.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによってAに損害が生じ,その工作物の占有者Bが損害賠償の責任を負う場合において,Bが無資力であるときは,その工作物の所有者も損害賠償の責任を負う。
- ①ア ウ正解
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
土地工作物責任(717条)は、占有者→所有者の順で責任を負わせる構造で、占有者は免責可能(過失責任)だが所有者は無過失責任。求償は717条3項で認められ、瑕疵の発生時期や現占有者の資力の有無は責任の成否に影響しない。
結論
正しい記述はアとウであり、選択肢1が正解である。717条は占有者に過失責任、所有者に無過失責任を課す二段構えの制度であり、求償(717条3項)や所有者交代時の扱いに関する判例法理を正確に押さえれば解ける。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
