令和元年 司法試験 短答式 民法 第27問 解説
問題
不法原因給付に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.強行法規に違反してされた給付であっても,不法原因給付に該当しないことがある。
イ.登記された建物が不倫関係の維持を目的として贈与され,受贈者に引き渡されたが,所有権移転登記手続はされていない場合,贈与者は,受贈者に対し,建物の明渡請求をすることができない。
ウ.贈与に基づく動産の引渡しが不法原因給付に該当し,不当利得に基づく動産の返還請求をすることができない場合,贈与者は,受贈者に対し,所有権に基づく動産の返還請求をすることができない。
エ.不法原因給付の給付者と受領者との間において,その給付後に,その原因となった契約を合意の上解除してその給付を返還する特約をしたとしても,給付者は,その返還を請求することができない。
オ.消費貸借が,その成立の経緯において,貸主の側に少しでも不法があったときは,借主の側に多大の不法があったとしても,貸主は貸金の返還を請求することができない。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ オ
解説
要点
708条の「不法」は公序良俗違反を意味し、強行法規違反一般とは区別される。未登記建物は引渡しで「給付を終わった」といえるが、既登記建物では所有権移転登記までされなければ給付終了とはいえない。708条で不当利得返還請求が封じられれば反射的に所有権に基づく返還請求も封じられる。不法性比較論により、双方に不法があっても程度差が著しければ返還請求が認められうる。
結論
正しいのはアとウであり,選択肢1が正解である。強行法規違反と公序良俗違反(708条の「不法」)は概念が異なるためアは正しく,動産の不法原因給付についても不当利得返還請求が封じられれば反射的効果として所有権に基づく返還請求も封じられるためウも正しい。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
