令和元年 司法試験 短答式 民法 第22問 解説
問題
同時履行に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.有償の委任契約における委任者の報酬支払義務と受任者の事務処理義務とは,同時履行の関係にある。
イ.売買の目的物である未登記建物に隠れた瑕疵があることを理由に売買契約が解除された場合,売主の代金返還義務と買主の建物返還義務とは,同時履行の関係にある。
ウ.建物賃貸借契約が終了し賃借人が造作買取請求権を行使した場合,賃貸人の造作買取代金支払義務と賃借人の建物明渡義務とは,同時履行の関係にある。
エ.未成年者が行為能力の制限を理由に動産売買契約を取り消した場合,両当事者が互いに負う返還義務は,同時履行の関係にある。
オ.期間満了による建物の賃貸借契約終了に伴う賃借人の建物明渡義務と賃貸人の敷金返還義務とは,同時履行の関係にある。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ エ正解
- ④イ オ
- ⑤ウ オ
解説
要点
同時履行の抗弁は『対価的牽連性のある双務的債務』の存否がポイント。解除・取消しによる原状回復は原則として同時履行(546条・533条の準用/類推)だが、委任の報酬後払い(648条2項)や敷金(622条の2)・造作買取のように履行の先後が条文・判例法理で定まる場面では否定される。
結論
正しいのはイとエであり、選択肢3が正解である。イは瑕疵担保(契約不適合)を理由とする解除に基づく原状回復義務同士の牽連性が肯定される場面、エは制限行為能力者の取消しに基づく相互の返還義務が同時履行とされる場面であり、いずれも同時履行関係が認められる。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
