令和元年 司法試験 短答式 憲法 第16問 解説
問題
違憲判断の在り方に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.国籍法の規定に関し,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した子の国籍取得に過剰な要件を設けることにより区別を生じさせている部分のみを除いて合理的に解釈することは,裁判所が法律にない新たな国籍取得の要件を創設するもので,国会の本来的な機能である立法作用を行うものとして許されない。
イ.衆議院の議員定数配分規定が選挙権の平等に反して違憲と判断された場合,行政事件訴訟法の事情判決の規定には,一般的な法の基本原則に基づくものとして理解すべき要素も含まれていると考えられ,公職選挙法も選挙関係訴訟については上記規定の準用を明示的に排除していないため,事情判決の法理により,その選挙の違法を主文で宣言することができる。
ウ.嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とした民法の法定相続分規定は,遅くとも当該規定が違憲とされた事案の相続が開始した当時に憲法第14条第1項に違反していたため,その当時以降に開始された他の相続につき,関係者間の法律関係が確定的な段階に至っていない事案であれば,違憲無効とされた当該規定の適用を排除した上で法律関係を確定的なものとするのが相当である。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○正解
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
国籍法違憲判決は、区別を生じさせる過剰要件部分のみを除いて合理的に解釈すること(違憲部分の除去による救済的解釈)を立法作用の簒奪ではないとした点、議員定数訴訟は公職選挙法が事情判決規定の準用を明示的に排除していることを前提に一般的な法の基本原則として事情判決の法理を用いた点、非嫡出子相続分違憲決定は違憲判断の効力を法律関係が未確定な事案に限って及ぼした点を正確に押さえる。
結論
正解は選択肢7(ア× イ× ウ○)である。国籍法違憲判決は過剰要件部分のみを除く合理的解釈を許されないとは評価できないとしており記述アは誤り、議員定数配分違憲判決の事情判決の法理は公職選挙法が準用を明示的に排除していることを前提とするため記述イも誤り、非嫡出子相続分違憲決定は違憲判断の効力を法律関係が未確定な事案に及ぼすとした点で記述ウは正しい。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
