SaySayLaw無料で演習する

令和元年 司法試験 短答式 憲法 第7問 解説

問題

職業の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。 ア.薬局の開設につき,これを許可制とすることの目的が,国民の生命及び健康に対する危険の防止にある場合,当該規制の合憲性を肯定するためには,それが重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることに加え,より緩やかな規制によってはその目的を十分に達成することができないと認められることも要する。 イ.個人の経済活動の自由に対して,社会経済全体の均衡のとれた調和的発展を図るという積極目的の規制を設けることが正当化される根拠として,国民の生存権やその一環としての勤労権が保障されているなど,経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を行うことが憲法上の要請とされていることを挙げることができる。 ウ.酒類販売業について免許制とすることを定めた酒税法の規定は,酒類販売業者には経済的基盤の弱い中小事業者が多いことに照らし,酒類販売業者を相互間の過当競争による共倒れから保護するという積極目的の規制であり,当該規制の目的に合理性が認められ,その手段・態様も著しく不合理であることが明白であるとは認められないから,違憲ではない。
  1. ①ア○ イ○ ウ○
  2. ②ア○ イ○ ウ×正解
  3. ③ア○ イ× ウ○
  4. ④ア○ イ× ウ×
  5. ⑤ア× イ○ ウ○
  6. ⑥ア× イ○ ウ×
  7. ⑦ア× イ× ウ○
  8. ⑧ア× イ× ウ×

解説

要点
消極目的規制(国民の生命・健康への危険防止)には厳格な合理性の基準(薬局距離制限事件)、積極目的規制には明白性の原則(小売市場事件)が妥当する。他方、酒税法の酒類販売業免許制は中小業者保護という積極目的ではなく、酒税の適正かつ確実な賦課徴収という財政目的の規制と位置づけられている点を押さえる。

結論

選択肢2(ア○イ○ウ×)が正しい。アは薬局距離制限事件の規範を正確に述べ、イは小売市場事件が積極目的規制を正当化する根拠として生存権・勤労権の保障を挙げた趣旨と一致するが、ウは酒税法の免許制を『積極目的規制』とする点が誤りで、判例は酒税の適正かつ確実な賦課徴収という財政目的から合憲性を導いている。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。