令和元年 司法試験 短答式 刑法 第3問ア 解説
問題
承継的共犯に関する次の各【見解】についての後記アからオまでの各【記述】を検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。【見 解】A.共犯は,一個の犯罪を共同して行うものであり,後から犯罪に加担した者も,情を知って一罪の一部に加担した以上,犯罪全体について責任を負う。B.共犯は,自己の行為と因果性がある範囲においてのみ責任を負うべきであって,自らが生じさせていない過去の事実について責任を負うべきではない。C.先行者が生じさせた結果は承継しないが,先行者が生じさせた犯行を容易にする状態が存在する場合に,後行者がその状態を利用して犯罪を実現したときには,後行者も犯罪全体について責任を負う。【記 述】
ア.Aの見解に対しては,何を一罪として扱うかは,立法政策によって決まるため,一罪性に決定的な意味を認めるのは適切ではないとの批判が可能である。
- ①正しい正解
- ②誤っている
解説
要点
A説(一罪性を根拠とする全部承継説)には、何を一罪として構成要件化するかは立法政策の産物にすぎず、実質的な因果性・答責性の判断とは無関係な形式的基準だという批判が加えられる。この批判の構造を理解すれば類題にも対応できる。
結論
記述アは正しく、選択肢1が正解である。A説は「一罪性」を根拠に後行者の全体責任を認めるが、何が一罪として構成要件上まとめられるかは立法者の裁量(立法政策)によって決まる事柄であり、そのような偶然的・形式的な区分に、後行者の責任範囲を決する決定的な意味を持たせるのは理論的に不当だという批判が可能である。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
