令和元年 司法試験 短答式 刑法 第15問 解説
問題
正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。
1.当然又はほとんど確実に侵害が予期された場合において,単に予期された侵害を避けなかったにとどまらず,その機会を利用して積極的に相手方に対し加害行為をする意思で暴行に及んだときは,その暴行行為については,正当防衛が成立する余地はない。
2.いわゆるけんか闘争において相手方に対してした暴行行為については,正当防衛が成立する余地はない。
3.手拳で殴る素振りをしながら「お前殴られたいのか。」と言って近付いてきた相手方を,殺傷能力のある刃物を構えて脅した場合,その脅迫行為については,正当防衛が成立する余地はない。
4.自己に対しナイフを示して脅している相手方に対し専ら攻撃の意思で暴行に及んだ場合,その暴行行為については,正当防衛が成立する余地はない。
5.財産的権利を防衛するために相手方の身体に暴行を加えて傷害を負わせた場合,その暴行行為については,正当防衛が成立する余地はない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4正解
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
正当防衛の成否は「急迫性(積極的加害意思の有無)」「防衛の意思(専ら攻撃の意思か否か)」「相当性(やむを得ずにした行為)」を分けて検討し、けんか闘争でも例外的に成立の余地があること、財産権も防衛の対象になることを押さえる。
結論
正しいのは記述1と記述4であり,選択肢3が正解である。記述1は積極的加害意思がある場合に急迫性を否定する判例法理そのものであり,記述4は防衛の意思を欠く「専ら攻撃の意思」による反撃を正当防衛から排除する判例法理そのものである。これに対し記述2・3・5は,判例が正当防衛の成立の余地を認めている場面を「余地はない」と断定しており誤りである。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
