令和元年 司法試験 短答式 刑法 第10問 解説
問題
公務員職権濫用罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものはどれか。
- ①公務員職権濫用罪の成立には,必ずしも職権行使の相手方の意思に直接働きかけ,それを制圧することまで要しない。
- ②公務員職権濫用罪の成立には,必ずしも公務員の不法な行為が職務としてなされることまで要しない。
- ③公務員職権濫用罪にいう「職権」は,必ずしも法律上の強制力を伴うことまで要しない。
- ④公務員職権濫用罪にいう「職権」は,職権行使の相手方に対し,必ずしも法律上又は事実上の負担や不利益を生ぜしめるに足りる特別の職務権限であることまで要しない。正解
- ⑤公務員職権濫用罪にいう「権利の行使を妨害した」の「権利」は,必ずしも法律に明記されたものであることを要しない。
解説
要点
刑法193条の「職権」は、法律上の強制力を伴うことや相手方の意思を直接制圧する性質までは不要だが、職務の性質上、相手方に法律上又は事実上の負担・不利益を生じさせるに足りる特別の職務権限であることを要する(最決昭57.1.28)。この「特別の職務権限であることを要する」という部分を裏返した選択肢が誤りとなる典型パターン。
結論
選択肢4が誤り。判例は、公務員職権濫用罪にいう「職権」について、法律上の強制力までは不要だが、相手方に法律上又は事実上の負担・不利益を生じさせるに足りる特別の職務権限であることを要すると解しており、選択肢4はこれを逆に「要しない」としている点で誤っている。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
