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平成30年 司法試験 短答式 民法 第7問 解説

問題

Aは,Bとの間でAが所有する甲土地を売却する旨の売買契約(以下「本件第1売買契約」という。)を締結し,Bからその代金の支払を受けたが,AからBへの所有権移転登記手続をせず,Cとの間で甲土地を売却する旨の売買契約(以下「本件第2売買契約」という。)を締結し,AからCへの所有権移転登記手続をした。その後,Aは行方不明になり,Bは,Cに対し,所有権に基づいてCからBへの移転登記手続請求訴訟を提起した。この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 ア.Bは,請求原因として,Aが甲土地を所有していたこと,本件第1売買契約の成立及びCの登記の存在を主張立証しなければならない。 イ.Cは,対抗要件の抗弁を主張する場合には,本件第2売買契約の成立及びCが本件第2売買契約締結当時,本件第1売買契約について善意無過失であったことを主張立証しなければならない。 ウ.Cは,BがBのCに対する登記請求権を行使することができる時から20年以上行使していなかったとしても,その登記請求権の時効による消滅をもって,抗弁とすることはできない。 エ.Cが抗弁として本件第2売買契約の成立及びCの登記がこれに基づくことを主張立証した場合,Bは,Cが本件第2売買契約締結当時,本件第1売買契約について悪意であったことをもって,再抗弁とすることができる。 オ.本件第2売買契約がAの錯誤により無効であった場合,Cが抗弁として本件第2売買契約の成立及びCの登記がこれに基づくことを主張立証したときは,Bは,本件第2売買契約についてAに要素の錯誤があることをもって,再抗弁とすることができる。
  1. ①ア ウ正解
  2. ②ア エ
  3. ③イ ウ
  4. ④イ オ
  5. ⑤エ オ

解説

要点
所有権に基づく移転登記請求の請求原因は、所有権取得原因事実+被告の登記の存在。対抗要件の抗弁は権利主張+自己が第三者たる地位にある事実で足り、善意無過失は不要。これを覆すには単純悪意では足りず背信的悪意の主張立証が必要(再抗弁)。所有権に基づく登記請求権は消滅時効にかからない。錯誤無効は表意者保護の制度であり第三者は原則として主張できない。

結論

選択肢1(ア・ウ)が正しい。所有権に基づく妨害排除請求としての移転登記請求の請求原因は所有権取得原因事実と被告の登記保有で足り(ア)、所有権に基づく登記請求権は消滅時効にかからない(ウ)とするのが判例・実務の理解である。

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出典:法務省「平成30年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。