平成30年 司法試験 短答式 民法 第12問 解説
問題
担保物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.留置権は,その目的物の一部が債務者に引き渡された場合,目的物の残部についても消滅する。
イ.AがBに対して動産売買の先取特権を有していた場合,BがCに対してその目的物である動産を売却し,占有改定によりこれを引き渡したとしても,Aの動産売買の先取特権は消滅しない。
ウ.動産質権の設定は,指図による占有移転をもって目的物を債権者に引き渡すことによっても,その効力を生じる。
エ.不動産質権については,質権者と質権設定者との間の特約で,質権者が目的物を使用収益しない旨を定めることができる。
オ.抵当権者は,目的物が不法に占有された場合であっても,不法占有者に対して,抵当権に基づいて目的物を直接自己に明け渡すよう求めることはできない。
- ①ア イ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④ウ エ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
留置権・先取特権は不可分性・対抗要件(引渡し)の理解、質権は占有改定禁止だが指図による占有移転は可、不動産質は359条により使用収益排除特約が可能、抵当権者は不法占有者に直接自己への明渡しを求められる(最大判平11.11.24の代位構成、最判平17.3.10の抵当権に基づく妨害排除構成)という各判例知識をセットで押さえる。
結論
正しいのはウとエであり、選択肢4が正解である。動産質権は指図による占有移転によっても設定でき、不動産質権は特約により質権者の使用収益権を排除できるためである。
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出典:法務省「平成30年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
