平成30年 司法試験 短答式 刑法 第5問エ 解説
問題
違法性に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
エ.借地人が,自己の借地内にある自己所有の店舗を増築する必要に迫られ,その借地内に突き出ている隣の家屋の屋根をその所有者の承諾なく切除した場合,自救行為として違法性が阻却され,建造物損壊罪は成立し得ない。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
自救行為は、法定の手続によったのでは権利の実現が不可能・著しく困難な緊急性がある場合に限り、必要かつ相当な範囲でのみ認められると解されている。単に自己が権利者であるという理由だけで自力救済を行えば違法性は阻却されず、器物損壊罪・建造物損壊罪等が成立しうる。
結論
判例は、借地人が自己の借地内に突き出た隣家の屋根を所有者の承諾なく切除した事案について、自救行為として違法性が阻却されることを否定し、建造物損壊罪の成立を認めている。したがって「違法性が阻却され,建造物損壊罪は成立し得ない」とする記述エは誤りであり、選択肢2が正しい。
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出典:法務省「平成30年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
