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平成30年 司法試験 短答式 刑法 第18問 解説

問題

信用及び業務に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
  1. ①信用毀損罪における「流布」とは,虚偽の風説を不特定又は多数の人が認識可能な状態に置くことをいい,行為者自らが直接に不特定又は多数の人に告知する場合のみならず,特定かつ少数の者を通じて順次不特定又は多数の人に伝播させる場合も含まれる。正解
  2. ②電子計算機損壊等業務妨害罪は,電子計算機に向けられた加害行為を手段とする業務妨害行為を処罰対象とするものであるところ,同罪の加害行為は,「人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊」することと「人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え」ることに限られる。
  3. ③威力業務妨害罪における「威力を用いて」とは,人の意思を制圧するような勢力を行使することをいい,このような勢力が業務に従事している人に対して直接行使されることを要する。
  4. ④信用毀損罪は,公訴が提起されることにより公判において事件の内容が明らかになり,かえって被害者の信用が損なわれる事態を招くおそれがあるため,被害者による告訴がなければ公訴を提起することができない。
  5. ⑤強制力を行使しない公務は,業務妨害罪における「業務」には該当するが,公務執行妨害罪における「職務」には該当しない。

解説

要点
信用毀損罪の『流布』は名誉毀損罪と同様の伝播性理論で判断され、電子計算機損壊等業務妨害罪には『その他の方法により』という包括文言がある点、威力業務妨害罪の威力は物に対するものでもよい点、信用毀損罪は非親告罪である点、強制力を行使しない公務は業務妨害罪・公務執行妨害罪の双方の客体になり得る点を押さえる。

結論

選択肢1が正しい。信用毀損罪(刑法233条)の『流布』とは、虚偽の風説を不特定又は多数人が認識し得る状態に置くことをいい、直接不特定多数に告知する場合だけでなく、特定かつ少数の者に告知しても、そこから不特定又は多数人へ伝播する可能性がある場合には『流布』に当たると解されている(伝播性の理論)。

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出典:法務省「平成30年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。