平成30年 司法試験 短答式 刑法 第16問エ 解説
問題
放火の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
エ.甲は,住宅街の中にある駐車場内に駐車されていた乙所有の自動車にガソリンをまいて放火したところ,同自動車が勢いよく炎上し,その付近に駐車されていた所有者の異なる自動車3台に火が燃え移りかねない状態になったが,付近の建造物に燃え移る危険は生じなかった。甲には他人所有建造物等以外放火罪(刑法第110条第1項)は成立しない。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
刑法110条1項の「公共の危険」は建造物等(108条・109条所定の物)への延焼の危険に限られず、それ以外の財産(自動車等)への延焼の危険や生命・身体への危険も含む。判例(最決平成15年4月14日)を押さえる。
結論
本記述は誤り(選択肢2が正解)。判例は、刑法110条1項にいう「公共の危険」を108条・109条所定の建造物等への延焼の危険に限定せず、それ以外の財産(自動車など)への延焼の危険も含むと解しているため、建造物への延焼危険が生じなくても、隣接する複数の自動車への延焼の危険が生じていれば公共の危険は発生し、他人所有建造物等以外放火罪(110条1項)が成立する。
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出典:法務省「平成30年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
