平成29年 司法試験 短答式 民法 第26問 解説
問題
不動産の売買契約に基づき売主が買主に対して代金の支払を訴訟で請求する場合に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①売主は,請求原因において,売買契約締結当時,その目的物が売主の所有であったことを主張する必要がある。正解
- ②買主が抗弁として同時履行の抗弁を主張した場合には,売主は,代金の支払を目的物の引渡し及び所有権移転登記手続よりも先に履行する旨の合意があったことを再抗弁として主張することができる。
- ③売買契約の目的不動産について隠れた瑕疵があり,買主が損害賠償請求権を有する場合には,売主の代金請求権と買主の損害賠償請求権は同時履行の関係にある。
- ④売主が目的物の引渡しについて履行の提供をした場合でも,その提供が継続されていないときは,買主は同時履行の抗弁権を失わない。
- ⑤売買契約の目的不動産について抵当権の登記があるときは,買主は,抵当権消滅請求の手続が終わるまで,代金の支払を拒むことができる。
解説
要点
売買代金請求の要件事実は『売買契約の締結』のみであり、目的物の所有権が売主に帰属していたことは要件事実ではない(他人の権利の売買も有効)。同時履行の抗弁については、先履行特約(再抗弁)・履行の提供の継続の必要性・抵当権等の登記がある場合の支払拒絶(577条)を押さえる。
結論
誤っている選択肢は選択肢1である。売買契約に基づく代金支払請求の要件事実は『売買契約の締結』のみであり、目的物が売主の所有であったことは要件事実とされない。民法上、他人の権利を目的とする売買契約も有効に成立するためである。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
