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平成29年 司法試験 短答式 刑法 第6問 解説

問題

わいせつ物頒布等の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,甲に( )内の罪が成立しないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。 ア.インターネットを介した書籍販売業を営む甲は,日本語で書かれたわいせつな文書である小説を,その購入を申し込んできた日本国内在住の多数の外国人に販売したところ,いずれの外国人も日本語の読解能力に乏しく,同小説の内容を理解できなかった。(わいせつ物頒布罪) イ.甲は,インターネットを介して多数の希望者を募った上,その希望者らに無料で交付する目的で,わいせつな映像を記録したDVDを所持した。(わいせつ物有償頒布目的所持罪) ウ.甲は,わいせつな映像を記録したDVDの販売業者に対してそのDVDの購入を申し込み,これを購入した。(わいせつ物頒布罪の教唆犯) エ.DVDのレンタル業を営む甲は,わいせつな映像を記録したDVDを,多数の顧客へ有償で貸し出した。(わいせつ物頒布罪) オ.甲がインターネットを介したわいせつな映像の販売業を営み始めたところ,その購入を申し込んできた顧客は1名だけであったが,甲は,その者に対して,電子メールに同映像のデータを添付して送信した。(わいせつ物頒布罪)
  1. ①ア エ
  2. ②ア オ
  3. ③イ ウ正解
  4. ④イ エ
  5. ⑤ウ オ

解説

要点
わいせつ物頒布罪の「頒布」は、相手方の理解力を問わず、売買・貸与等の態様も問わない不特定又は多数人への交付行為である。他方、175条2項の所持罪は「有償で頒布する目的」が要件であり無償交付目的では成立せず、また買主は片面的対向犯の不可罰的関与者として教唆犯も成立しない。

結論

成立しないのはイとウであり,選択肢3が正しい。イは無償で交付する目的であるため「有償で頒布する目的」という175条2項の要件を欠き,ウは処罰規定の置かれていない対向的関与(買主側の通常の購入行為)にすぎず頒布罪の教唆犯とは評価されないためである。

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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。