平成29年 司法試験 短答式 刑法 第5問 解説
問題
正当防衛及び緊急避難に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。
1.正当防衛は,法益の侵害が現に存在している場合のほか,法益の侵害が間近に差し迫っている場合にも成立する余地があるが,緊急避難は,危難が間近に差し迫っている場合に成立する余地はない。
2.正当防衛が成立するためには,防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有するものであることを要するから,防衛行為によって生じた害が避けようとした害の程度を超えた場合に正当防衛が成立する余地はない。
3.正当防衛が成立する行為を避けるために相手方又は第三者の法益を侵害した場合,緊急避難が成立する余地があるが,正当防衛が成立する余地はない。
4.過剰避難について,その刑を減軽も免除もしないことはできるが,過剰防衛については,その刑を減軽又は免除しなければならない。
5.自然現象によって生じた法益侵害を避けるために第三者の法益を侵害した場合,緊急避難が成立する余地があるが,正当防衛が成立する余地はない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5正解
- ⑩4と5
解説
要点
正当防衛は『不正の侵害』を要件とするため適法行為や自然現象には成立しないが、緊急避難は『現在の危難』であれば危難の性質・原因を問わず成立しうる。また正当防衛の相当性は害の均衡を要件としない点と、過剰防衛・過剰避難の減免はいずれも任意的(できる)である点を混同しないこと。
結論
正しいのは記述3と5であり、選択肢9が正解である。正当防衛は『不正の侵害』を要件とするため、適法行為(正当防衛が成立する行為)や自然現象には成立し得ないが、緊急避難は『現在の危難』であればその原因を問わず成立し得るからである。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
