平成29年 司法試験 短答式 刑法 第18問 解説
問題
名誉毀損罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
- ①摘示される「事実」は,非公知のものでなければならないから,公知の事実を摘示した場合には,名誉毀損罪は成立しない。
- ②事実の摘示が「公然」といえるためには,摘示内容を不特定かつ多数人が認識し得る状態にあったことが必要であるから,不特定ではあるが,少数人しか認識し得ない状態にとどまる場合には,名誉毀損罪は成立しない。
- ③名誉の主体である「人」は,自然人に限られるから,法人の名誉を毀損した場合には,名誉毀損罪は成立しない。
- ④死者の名誉を毀損したとしても,虚偽の事実を摘示した場合でなければ処罰されないから,摘示した事実が真実である場合には,名誉毀損罪として処罰されない。正解
- ⑤人の名誉を侵害するに足りる事実を公然と摘示したとしても,現実に人の名誉が侵害されていない場合には,名誉毀損罪は成立しない。
解説
要点
名誉毀損罪は抽象的危険犯であり、摘示事実の真偽・公知性を問わず成立するが、死者に対する名誉毀損罪だけは虚偽の事実摘示の場合に限り処罰される(刑法230条2項)という例外を正確に押さえること。
結論
選択肢4が正しい。刑法230条2項は死者の名誉毀損について「虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない」と定めており、真実を摘示した場合には死者に対する名誉毀損罪は成立しない。生きている者に対する名誉毀損罪(230条1項)とは異なり、死者の場合は虚偽性が処罰の要件となっている点が本条の核心である。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
