平成29年 司法試験 短答式 刑法 第17問ウ 解説
問題
次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,( )内の犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
ウ.甲は,通行中の乙に因縁を付けて乙から現金を脅し取ろうと考え,乙に対し,「俺をにらんできただろ。金を払えば許してやる。金を出せ。」などと大声で怒鳴り付けて反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加え,同脅迫により畏怖した乙は,甲に現金を直接手渡さなかったものの,甲が乙のズボンのポケットから乙が所有する現金在中の財布を抜き取って持ち去るのを黙認した。(恐喝罪)
- ①犯罪が既遂になる正解
- ②未遂にとどまる
- ③既遂にも未遂にもならない
解説
要点
恐喝罪の交付行為は、被害者が現実に手渡す行為だけでなく、畏怖のあまり財物の持ち去りを黙認・容認するという不作為・黙示の態様でも足りる。財物移転が被害者の(瑕疵ある)意思に基づくと評価できれば恐喝既遂、被害者の意思に反して奪えば窃盗となる。
結論
甲の行為は恐喝罪の既遂となる。脅迫により畏怖した乙が、甲による財布の抜き取り・持ち去りを黙認したことは、財物の占有移転を容認する黙示の交付行為と評価でき、恐喝罪の構成要件(脅迫→畏怖→交付→財物移転)を満たすからである。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
