平成29年 司法試験 短答式 刑法 第17問イ 解説
問題
次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,( )内の犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
イ.甲は,行使の目的で,カラープリンターを用いて,複写用紙に真正な千円札の表面及び裏面を複写して千円札を偽造しようとしたが,カラープリンターの操作を誤ったため,完成したものは,一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではなかった。(通貨偽造罪)
- ①犯罪が既遂になる
- ②未遂にとどまる正解
- ③既遂にも未遂にもならない
解説
要点
通貨偽造罪の実行行為に着手していれば、完成物が一般人を誤認させる程度に至らなくても未遂罪(刑法151条)が成立し、不能犯として不可罰になるわけではない。偽造の出来が悪かったのは単なる技術的失敗にすぎず、不能犯論のいずれの立場(具体的危険説・客観的危険説)からも結果発生の危険性は否定されない。
結論
甲の行為は通貨偽造罪の未遂にとどまる(選択肢2が正しい)。行使の目的で偽造行為に着手した以上、実行の着手は認められるが、完成物が一般人をして真正な通貨と誤信させる程度の外観を備えていないため既遂には至らない。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
