平成29年 司法試験 短答式 刑法 第8問イ 解説
問題
不法領得の意思に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
イ.A市建設部長である甲は,不正工事の発覚を恐れ自宅に隠匿する目的で,自己が業務上保管している公文書である市立小学校の設計書を市役所外に持ち出した。この場合,甲に不法領得の意思は認められず,業務上横領罪は成立しない。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
横領罪における不法領得の意思は、必ずしも経済的利益を得る意図を要せず、他人の物の占有者がその委託の任務に背いて権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思があれば足りる。判例は、発覚を恐れて公文書を隠匿する目的で持ち出した場合にもこれを肯定している。
結論
本記述は誤り(選択肢2が正しい)。判例上、業務上横領罪における不法領得の意思は経済的利益の取得を目的とする必要はなく、委託の趣旨に背いて所有者でなければできないような処分をする意思があれば足りるため、不正工事発覚を恐れて公文書を隠匿する目的で持ち出した甲にも不法領得の意思が認められ、業務上横領罪が成立する。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
