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平成28年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説

問題

甲土地を所有するAには,その妻Bとの間に子C及びDがいる。この場合において,Aが死亡したときの不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 ア.Cが相続放棄をした後に,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の4分の1の持分をEに売却し,CからEへの持分移転登記を経由した場合,Eは,B及びDに対し,甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。 イ.AがEに甲土地を遺贈し,遺言により指定された遺言執行者Fがある場合において,Bが,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の2分の1の持分をGに売却し,BからGへの持分移転登記を経由したときは,Eは,Gに対し,甲土地の所有権の取得を主張することができる。 ウ.B,C及びDの遺産分割協議により,甲土地はBが取得することとされた場合であっても,その後,Dが,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の4分の1の持分をEに売却し,DからEへの持分移転登記を経由したときには,Eは,Bに対し,甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。 エ.Aが「甲土地はCに相続させる」旨の遺言をしていた場合において,Bが,甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で,甲土地の2分の1の持分をEに売却し,BからEへの持分移転登記を経由したときには,Cは,Eに対し,甲土地の所有権の取得を主張することができない。 オ.Dが甲土地を単独で相続した旨の不実の登記をした上で,甲土地をEに売却し,DからEへの所有権移転登記を経由した場合,Bは,Eに対し,甲土地について2分の1の持分の取得を主張することができない。
  1. ①ア エ
  2. ②ア オ
  3. ③イ ウ正解
  4. ④イ オ
  5. ⑤ウ エ

解説

要点
相続放棄・遺言執行者がある場合の相続人の処分・特定財産承継遺言による権利移転、および共同相続人の単独相続登記からの譲受人との関係は、いずれも相手方が無権利者からの取得者であるため登記なくして対抗できる。これに対し、遺産分割後に法定相続分の登記を経た共同相続人から持分を譲り受けた第三者との関係は、909条ただし書の問題ではなく民法177条の対抗問題として登記の先後で決する点を区別する。

結論

正しいのは選択肢3(イとウ)である。遺言執行者がある場合の相続人による処分行為は無権利処分として無効になる一方、遺産分割による権利取得は分割後の第三者に対して登記なくして対抗できないため、いずれも判例の規範に整合するのはイとウである。

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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。