平成28年 司法試験 短答式 民法 第15問 解説
問題
Aは,Bに対する600万円の債権を担保するため,B所有の甲土地及び乙土地に,第一順位の共同抵当権を有している。Cは,Bに対する400万円の債権を担保するため,甲土地に,第二順位の抵当権を有している。この場合に関する次の1から4までの各記述のうち,誤っているものはどれか。なお,各記述において,競売の結果として債権者に配当することが可能な金額は,甲土地につき500万円,乙土地につき1000万円であり,また,各債権者が有する債権の利息及び損害金は考慮しないものとする。
- ①Aが甲土地及び乙土地に設定された抵当権を同時に実行した場合,Aは甲土地から200万円,乙土地から400万円の配当を受け,Cは甲土地から300万円の配当を受けることができる。
- ②先に甲土地に設定された抵当権が実行されてAが500万円の配当を受け,その後に乙土地に設定された抵当権が実行された場合,Aは100万円の配当を受け,Cは300万円の配当を受けることができる。
- ③先に乙土地に設定された抵当権が実行された場合,Aは600万円の配当を受け,その後に甲土地に設定された抵当権が実行されたときには,Cは300万円の配当を受けることができる。正解
- ④Aが乙土地に設定された抵当権を放棄した後に,甲土地に設定された抵当権が実行された場合,Aは200万円の配当を受け,Cは300万円の配当を受けることができる。
解説
要点
392条2項後段の代位は「先に実行された不動産の後順位抵当権者」のための制度であり、後で実行される不動産の後順位抵当権者には適用されない。先順位共同抵当権者が別の不動産から全額回収して抵当権が消滅すれば、残る不動産の後順位抵当権者は、配当可能額の範囲で自己の被担保債権額全額の配当を受けられる。
結論
選択肢3が誤りである。先に乙土地が実行されてAが債権全額(600万円)の弁済を受けた場合、Aの抵当権は消滅するため、その後甲土地が実行されてもAは配当を受けられず、Cは甲の配当可能額500万円から自己の債権額400万円全額の配当を受けられる(残額は設定者Bに交付される)。300万円という数字は392条2項後段の代位を誤って適用したもので誤りである。
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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
