平成28年 司法試験 短答式 憲法 第16問 解説
問題
内閣及び内閣総理大臣に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.大日本帝国憲法において内閣総理大臣は同輩中の首席にすぎなかったのに対し,日本国憲法が内閣総理大臣に首長としての地位を認め,その権限を強化しているのは,内閣の一体性と統一性を確保し,内閣の国会に対する連帯責任の強化を図るものである。
イ.判例によれば,内閣総理大臣は,閣議にかけて決定した方針が存在しない場合においても,少なくとも内閣の明示の意思に反しない限り,行政各部に対し,随時その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導,助言等の指示を与える権限を有する。
ウ.内閣は,憲法第73条第1号により法律を執行する義務を負うから,たとえ内閣が違憲と判断する法律であっても,その法律を執行しなければならず,また,最高裁判所が違憲と判断した場合でも,国会がその法律を改廃しない限りは,その執行をしなければならない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×正解
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
ロッキード事件丸紅ルート判決(最大判平成7年2月22日)は、内閣総理大臣が閣議決定の方針がなくても内閣の明示の意思に反しない限り行政各部に指導・助言等の指示を与える権限を認めた。他方、最高裁が法律を違憲と判断した場合、内閣は憲法の最高法規性(98条1項)・憲法尊重擁護義務(99条)から、国会の改廃を待たずにその執行を差し控えるべきと解される。
結論
選択肢2(ア○ イ○ ウ×)が正しい。アは内閣総理大臣の首長性強化の趣旨として妥当であり、イはロッキード事件丸紅ルート判決が示した内閣総理大臣の指示権限の規範と一致する。ウは、最高裁が違憲と判断した法律についてなお国会の改廃を待たねば執行義務が続くとする点が誤りである。
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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
