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平成28年 司法試験 短答式 刑法 第17問 解説

平28司法 第17問刑法共同正犯の過去問

問題

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,甲に( )内の罪名の間接正犯が成立しないものを2個選びなさい。 1.甲は,是非弁別能力を有する12歳の長男乙に対し,強盗の犯行方法を教示し,その際に使う凶器を提供して強盗を実行するよう指示したが,その指示は乙の意思を抑圧するものではなく,乙は,自らの意思により強盗の犯行を決意し,甲から提供された凶器を使って,状況によって臨機応変に対処して強盗を実行した。(強盗罪) 2.医師ではない甲は,妊婦乙からの依頼を受けて乙への堕胎手術を開始したが,その最中に乙の生命が危険な状態に陥ったため,医師丙に依頼し,胎児を乙の母体外に排出させた。(同意堕胎罪) 3.公務員ではない甲は,公証人乙に対して虚偽の申立てをし,事情を知らない乙をして,公文書である公正証書の原本に虚偽の記載をさせた。(虚偽公文書作成罪) 4.甲は,事情を知らない新聞社の従業員乙に依頼して,同社の新聞紙上に,丙に無断で丙名義の事実証明に関する広告文を掲載させた。(私文書偽造罪) 5.甲は,乙所有の建材を自己の所有物であると偽って,事情を知らない丙に売却し,丙をして,乙の建材置場から当該建材を搬出させた。(窃盗罪) ※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
  1. ①1と2
  2. ②1と3正解
  3. ③1と4
  4. ④1と5
  5. ⑤2と3
  6. ⑥2と4
  7. ⑦2と5
  8. ⑧3と4
  9. ⑨3と5
  10. ⑩4と5

解説

要点
間接正犯は、①是非弁別能力を欠く者や意思を抑圧された者の利用、②情を知らない者(故意なき道具)の利用、③適法行為の利用など、被利用者を道具として一方的に支配・利用した点に正犯性が認められる類型である。是非弁別能力のある者を意思抑圧せずに利用した場合は道具性が否定され(最決平13.10.25)、虚偽公文書作成罪については157条の存在を踏まえ非公務員の間接正犯が否定される(最判昭27.12.25)。

結論

選択肢2(1と3)が正しい。1は乙が是非弁別能力を有し、かつ意思を抑圧されずに自らの意思で臨機応変に犯行を実行しているため道具性が否定され間接正犯は成立しない。3は、非公務員が情を知らない公務員に虚偽の申立てをして不実の記載をさせた場合であり、判例は虚偽公文書作成罪の間接正犯を認めず、公正証書原本不実記載罪(157条1項)の成立にとどめる。

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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。