平成28年 司法試験 短答式 刑法 第13問エ 解説
問題
次のアからオまでの各記述における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,( )内の犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
エ.甲は,駅のホームのベンチで寝ているAの隣に座ったところ,Aのズボンのポケットに財布が入っていることに気付き,これを盗もうと考え,手を差し伸べて同ポケットの外側に触れたが,駅員が近付いてきたので,財布に触れることはできなかった。(窃盗罪)
- ①犯罪が既遂になる
- ②未遂にとどまる正解
- ③既遂にも未遂にもならない
解説
要点
窃盗罪の実行の着手は、財物への現実の接触ではなく、財物の占有を侵害する具体的危険が生じたかで判断される。すりの事案では、狙いを定めた財布の入ったポケットの外側に手を触れた段階(いわゆる「あたり行為」)で着手が認められるが(最決昭和29年5月6日)、財布を取得していない以上は未遂にとどまる(235条・243条)。
結論
選択肢2が正しい。甲はAのポケットの外側に手を触れた時点で窃盗罪の実行の着手が認められるが、財布を取得するに至っていないため、既遂ではなく未遂にとどまる。
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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
