平成28年 司法試験 短答式 刑法 第13問ウ 解説
問題
次のアからオまでの各記述における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,( )内の犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
ウ.甲は,Aと同居している自宅を燃やそうと考え,自宅の和室に新聞紙が入った段ボール箱を置き,同新聞紙にライターで点火したが,その直後に帰宅したAが燃えている同段ボール箱を発見して消火したため,同段ボール箱の直下の畳だけが焼損した。(現住建造物等放火罪)
- ①犯罪が既遂になる
- ②未遂にとどまる正解
- ③既遂にも未遂にもならない
解説
要点
108条の「焼損」は判例(独立燃焼説)により判断するが、その対象は「建造物」である。畳は毀損しなくても取り外せるため建造物の一部とはいえず、畳だけが焼損しても建造物の焼損はなく、現住建造物等放火罪は未遂(112条)にとどまる。
結論
甲には現住建造物等放火罪の未遂(選択肢2)が成立する。甲は自宅和室で媒介物(新聞紙・段ボール箱)に点火しており、現住建造物への延焼の現実的危険が生じているから実行の着手は認められる。もっとも、焼損したのは段ボール箱直下の畳だけであり、畳は建造物の一部とはいえないから「建造物を焼損した」とはいえず、既遂には達していない。
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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
