平成27年 司法試験 短答式 民法 第19問 解説
問題
債務の履行と弁済に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.安全配慮義務の違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は,その義務の違反により損害が発生した時から遅滞に陥る。
イ.弁済をすべき場所について別段の意思表示がない場合には,特定物の引渡しは,債権発生の時にその物が存在した場所においてしなければならないが,その他の弁済は債権者の現在の住所においてしなければならない。
ウ.弁済の費用について別段の意思表示がない場合には,債権者と債務者の双方が等しい割合でその費用を負担するが,債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは,その増加額は債権者が負担する。
エ.Aの所有する甲土地を,Bが建物の所有を目的として賃借し,Bが甲土地上に乙建物を建築して乙建物をCに賃貸した場合,BがAに対し甲土地の賃料の支払を拒絶しているときは,Cは,Aに対し甲土地の賃料の支払をすることができる。
オ.金銭消費貸借の借主が,元本,利息及び費用の総額に足りない金銭を貸主に弁済する場合には,それをまず元本に充当することを指定することができ,貸主が直ちに異議を述べない限り,その充当の指定は効力を有する。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
弁済の場所・費用・充当・第三者弁済・履行遅滞の起算点は条文の原則(484条・485条・489条・474条・412条3項)に立ち返って判断する。安全配慮義務違反の損害賠償債務は期限の定めのない債務として請求時から遅滞に陥る点、弁済費用は原則債務者負担である点、弁済者の一方的指定では費用・利息に優先して元本に充当できない点に注意。
結論
正しいのはイとエであり、選択肢4が正解である。イは弁済の場所に関する民法484条の条文どおりの記述であり、エは借地上建物の賃借人が敷地の地代を代払いできるとする判例法理(最判昭63.7.1)に合致する。
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出典:法務省「平成27年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
