平成26年 司法試験 短答式 商法 第56問 解説
問題
約束手形の振出人と裏書人の手形法上の地位に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.振出人は,手形に「指図禁止」の文字を記載することができるが,裏書人は,新たな裏書を禁止することはできない。
2.手形金額を100万円とする手形が振り出された後に,手形金額が200万円に変造され,その後,裏書がされた場合には,振出人及び裏書人は,100万円の限度で手形上の債務を負う。
3.受取人の記載のない手形について振出人に対し手形上の権利を行使するには,受取人の記載を補充する必要があるが,被裏書人の記載のない手形について裏書人に対し手形上の権利を行使するには,被裏書人の記載を補充する必要はない。
4.振出人及び裏書人が手形所持人に対して合同して責任を負うときは,手形所持人が振出人に対して手形上の債務の履行を請求しても,裏書人に対しては時効の中断の効力を生じない。
5.手形上の権利は,振出人に対するものであっても,裏書人に対するものであっても,満期の日から1年間行使しないときは,時効により消滅する。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4正解
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
白地式裏書は被裏書人欄が空白のまま権利行使できるが、受取人欄白地の白地手形は権利行使前に補充が必要。また合同責任でも時効の中断(現行法では完成猶予・更新)は相対効にとどまり(手形法71条・77条1項8号)、約束手形振出人に対する時効は3年、裏書人に対する遡求権は1年と期間も異なる点を押さえる。
結論
正しいのは選択肢3と4であり、これらの組合せである選択肢8が正解である。受取人欄白地の手形は補充なしに振出人へ権利行使できないが、白地式裏書の被裏書人欄は補充不要である点(記述3)、および手形上の合同責任における時効の中断(完成猶予・更新)は相対的効力しか生じない点(記述4)が、それぞれ条文どおり正しい。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
