平成26年 司法試験 短答式 行政法 第36問 解説
問題
国家賠償に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.A県警察の警察官がいわゆる交通犯罪の捜査を行うにつき故意又は過失によって違法に他人に損害を加えた場合においては,A県だけではなく,原則として,国もまた,国家賠償法第1条第1項に基づいて損害賠償責任を負う。
イ.国立公園内にB県が設置した周回路におけるかけ橋の設置管理の瑕疵により,観光客がかけ橋から足を踏み外して転落し重傷を負った場合,国は,B県に対する補助金の交付によりかけ橋の設置費用の2分の1近くを負担していたとしても,法律上の設置費用負担義務を負っていなければ,国家賠償法に基づいて損害賠償責任を負うことはない。
ウ.社会福祉法人Cの設置する児童養護施設に,児童福祉法に基づくD県の措置により入所した児童が,施設の職員Eの養育監護上の過失によって,他の入所児童から暴行を受けて負傷した場合であって,Eの養育監護行為が,国家賠償法第1条第1項の適用上,県の公権力の行使に当たる公務員の職務行為とされるときには,E個人が民法第709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず,使用者であるCも同法第715条に基づく損害賠償責任を負わない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○正解
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
都道府県警察官の職務執行に関する国賠法1条1項責任は原則として当該都道府県が負い、国は負わない。国賠法3条1項の「費用を負担する者」には、法律上の負担義務者と同等ないしこれに近い費用を負担し実質的に事業を共同執行し危険防止もしうる者が含まれる。県の公権力の行使と評価される措置に基づく施設職員の養育監護行為については、職員個人も設置法人も民法上の責任を負わない。
結論
正解は選択肢7(ア× イ× ウ○)である。アは都道府県警察官の職務執行につき国が原則として賠償責任を負うとする点で誤り、イは法律上の費用負担義務がなくても実質的な費用負担等の事情があれば国家賠償法3条1項の責任を負いうるとする判例に反するため誤り、ウは判例(最判平成19年1月25日)の判断枠組みそのものであり正しい。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
