平成26年 司法試験 短答式 刑法 第2問 解説
問題
窃盗罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。
1.宿泊客が,旅館の貸与した浴衣を自分のものにしようと考え,これを着用したまま,玄関にいた支配人に「ちょっと向かいのポストまで手紙を出してくる。」と告げ,支配人に「いってらっしゃいませ。」と言われて旅館を立ち去った行為には,窃盗罪は成立しない。
2.送金銀行の手違いで,自己名義の預金口座に誤って入金されたことを知った者が,これを自分のものにしようと考え,同口座のキャッシュカードを用いて現金自動預払機から全額を引き出した行為には,窃盗罪は成立しない。
3.民家で火災が発生し,消火活動に参加した者が,一人暮らしだった住人の焼死体に付いていた金のネックレスを発見して自分のものにしようと考え,これを取り外して持ち去った行為には,窃盗罪は成立しない。
4.施錠された友人所有のキャリーバッグを同人から預かり保管していた者が,在中する衣類を自分のものにしようと考え,友人に無断でキャリーバッグの施錠を解き,同衣類を取り出した行為には,窃盗罪は成立しない。
5.パチスロ機を誤作動させてメダルを窃取することを共謀した者が,実行者の犯行を隠ぺいするため,実行者の隣で通常の遊戯方法によりメダルを取得した場合,そのメダルを被害品とする窃盗罪は成立しない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5正解
- ⑩4と5
解説
要点
窃盗罪の成否は「誰が財物を占有しているか」「占有移転に処分行為が介在するか」を一つずつ確認する。死者の占有は殺害者以外の第三者との関係では否定され(占有離脱物横領)、不正取得の共謀とは別に通常の遊技方法で取得したメダルには窃盗罪は及ばない(最決平成21年6月29日)。
結論
正しいのは記述3と記述5であり、選択肢9(3と5)が正解である。死者からの財物奪取は殺害者以外の第三者との関係では死者の占有が認められず占有離脱物横領罪にとどまり、また不正取得の共謀とは別に、通常の遊技方法によって取得したメダルは「窃取」したものとはいえないためである。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
