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平成26年 司法試験 短答式 刑法 第9問 解説

問題

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤っているものはどれか。
  1. ①甲は,電話線を盗む目的で,電柱に架設されていた電話会社所有の電話線を切断しているところを警察官に発見された。甲には窃盗罪の実行の着手が認められる。
  2. ②甲は,深夜,金品窃取の目的で電器店に侵入し,懐中電灯で真っ暗な店内を照らしたところ,陳列棚に電気器具類があることを認識したが,なるべく現金を盗みたいと思い,歩いてレジの前に至ったところで警備員に発見された。甲には窃盗罪の実行の着手が認められる。
  3. ③甲は,夜間,一人で歩いていたV女を見付け,約5キロメートル先のひとけのない工事現場にV女を連れ込んで強姦することを決意し,V女を殴って失神させた上,近くに停めていたダンプカーの助手席にV女を乗せて発進させた。甲には強姦罪の実行の着手が認められる。
  4. ④甲は,Xの住んでいる家を焼損する目的で,これと約50センチメートル隔てて隣接している木造物置小屋の中のわらや薪に灯油をまいて放火したが,物置小屋の一部を焼損するにとどまった。甲には現住建造物等放火罪の実行の着手が認められる。
  5. ⑤甲は,登校中の子供に毒入りジュースを飲ませてこれを殺害する目的で,前日の夜に,夜間は人通りのない通学路に致死量を超える毒を混入させたペットボトル入りのジュースを置いた。甲には殺人罪の実行の着手が認められる。正解

解説

要点
実行の着手は「構成要件的結果発生の現実的危険性が具体的に生じたか(実行行為に密接する行為の開始か)」で判断し、被害者の発見・摂取といった不確実な事情の介在を待つ段階では、なお着手は認められない。

結論

選択肢5が誤り。毒入りジュースを前日夜に人通りのない通学路に置いただけの段階では、被害者が現場に来て発見し摂取するという不確実な事情が残っており、結果発生の現実的危険性がいまだ具体化していないため、殺人罪の実行の着手は認められない。

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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。